2024年度 理事長所信

【はじめに】

私たちの生活を取り巻く環境は、刻一刻と変化をしています。新型コロナウイルスの出現や国際紛争など、全世界に影響を及ぼす衝撃的な出来事が起き世界情勢は大きく変わってきました。そのような環境は、私たちの平穏な日常にも牙をむき環境の変化に日々翻弄されています。

一方で、物質的に豊かになる変化も起こっています。オープンAI技術の台頭、5Gなどのデジタル通信技術、電子決済等の金融システム、自動運転等の交通・運送システムなど数年前まで存在しなかった技術革新が、我々の生活の一部に密接に関係し生活はより豊かになっています。時代は急速に移り変わりますが、今日においては日々変化していることが当たり前であり、昨日生まれたイノベーションもすでに過去の産物なのかもしれません。私たち可児青年会議所はこのような時代の中でも存在し、地域社会に希望を与えるべく運動しています。

私たち可児青年会議所は、1975年の設立から本年で49年目を迎えます。設立から半世紀が経過しましたが、可児市及び御嵩町の住民に対し明るい豊かな社会づくりに寄与することを目的とする想いは脈々と続いています。時代が移り変わり社会変化が著しくとも、創設時からのこの羅針盤は狂うことはありません。諸先輩方から受け継がれているこの想いこそがすべての行動の源であり、可児青年会議所の歴史をつくっています。この一年迷うことなくその針が示す方角一点を目指し邁進していく所存です。

 

【会員拡大】

数は力なり。青年会議所運動において会員の数は、明るい豊かな社会の実現のためには不可欠であると考えます。それではなぜ数が必要なのか。我々の活動は、各委員会が計画した事業を理事会の決議を経て実行します。しかし、会員がいなければ議論はおこりません。会員が多ければ多様性が生まれ発想の質的転換が起こり、よりよい事業が実行できます。

これは事業に限らず、我々メンバーの思想や発想などの内面へも影響を与えます。影響を受けた数だけ成長があり、難題にぶつかった経験の数だけ答えをみつける努力をし、それに応える。その繰り返しが連鎖となり個々の経験値となります。

会員数を増やすために何が必要か。それは拡大対象者との協働です。JCがどんな団体なのか表面的な部分を知ることは容易でしょう。しかし、JCの本当の魅力は話を伝え聞くだけではわかりません。共に汗を流し時間を共有する協働こそが、入会へと心を動かすきっかけとなるでしょう。新たなメンバーの発想や思想がLOM内に新たな風を吹き込ませ、持続可能な組織へと成長すると私は確信しています。

 

【青少年育成委員会】

親は誰しもが生まれたばかりの我が子に、ただただ健康で健やかに育つよう幸せを願うものです。しかし、子が成長するにつれ願いはいつしか期待へと変わります。他に選択肢を知らない子供にとって親の期待に応えようとすることは特別なことではなく微笑ましさすら感じられますが、過度な期待は自我を抑制し子供の発想を制限してしまうことがあります。子供は親の期待の枠に捉われず積極的に冒険するべきであり、大人は知識と経験を積むことへの挑戦を後押しするべきであると考えます。なぜなら子供の可能性は無限大であるからです。

一般的に人は知らないことを知るときに最も高揚感を抱きます。特に子供は知ることへの探求心に満ちあふれています。知ることは物事を突き動かす原動力ですが、子供は知識を得て経験を積むにつれ固定概念や制限を作ってしまいます。また安定を求めるあまり自身の枠からはみ出すことをしなくなります。しかし、はみ出すことの中に探求心や自由な発想があり、さらにはその先に無限の可能性が広がっているのだと思います。制限から一歩出るには勇気がいりますが、バイタリティにあふれた青少年期は寄り道やはみ出すこともいいのではないでしょうか。きっとその経験が個性を生み、将来の道を照らす光となることでしょう。

 

【地域交流活性化委員会】

信頼ある地域社会は、人と人との繋がりで形成されます。この可児地域も例外ではありません。昭和50年代から愛知県のベットタウンとして急激な人口増加とともに新たなまちが次々に誕生し、多くの地域で人が繋がり新しいコミュニティが形成されていきました。地域のまちや人には賑わいがあふれ、多くの祭りや催しがあり必ずと言っていいほどシンボル的な地域のおじちゃん、おばちゃんがいました。それはどこか人間味や思いやりを感じ、地域に温かみを感じました。当時は、人と人との繋がりが社会生活では日常であり必需でした。その繋がりが共助となり、信頼が存在する地域社会が形成されていました。私はこれらが地域への愛着の根源だったのではないかと考えています。

昨今では地域の人と人との繋がりが減少傾向にあります。情報はインターネットで繋がり、物は流通の発展により人を介さずオートメーション化しています。繋がりの無い人間関係は他人です。そういった環境では、地域への無関心を生み愛着を感じることはありません。そうであれば、日本中数あるまちの中で生活拠点を可児地域にする必要はありません。世の中は日々便利になり、人と人との繋がりは日々生滅していきます。我々は時代の変化を敏感に捉え、新たな共助の在り方を創造し信頼ある地域社会を目指してまいります。

 

【組織人財育成委員会】

私が考えるJCでの経験とは、人生を充実し安定させる支持棒のような役目をはたしていると思っています。人生をやじろべえに例えると両腕は仕事と家庭です。仕事と家庭のバランスが取れているならば、左右は安定するでしょう。しかし、前後の力には弱く倒れてしまいます。やじろべえをさらに安定させるために必要なものが、自身の思想や発想などの精神力であると思います。JCは修練し自己成長することで社会奉仕を行い、さらに自己研鑽ができる。正しく人生を安定させる支持棒を作り出すことができますが、修練には当然困難や障壁が立ちはだかります。理事会や委員会で釈然としない場面や、寡黙に取り組むあまり事業を「こなす」と捉えてしまうこともあるでしょう。しかし、メンバーには自信をもっていただきたい。我々には仲間がいる。その仲間を最大限頼ってほしい。可児JCが培ってきた仲間との結束や雰囲気は、斬新なアイデアや手法を生み出す源泉です。JCでの修練は、必ずやメンバー自身の人生を支える力となります。仲間の力を最大限活用して社会にインパクトを与えましょう。

 

【むすびに】

私は可児青年会議所に入会し6年が経ちました。役職を経験し、困難や障壁を乗り越えながらJCの三信条である修練・奉仕・友情を理解してきました。これら三信条は不可分一体であり、いずれかが欠けてしまえば自身の成長も地域への奉仕も実現することはできません。すなわち、奉仕を成し遂げるために全力で取り組む場合、同様に修練や友情も全力で深めなければなりません。一人では何も成し遂げることはできませんが、JCには共助の精神があります。メンバーを頼ってください。そして頼られてください。頼られたら応えてください。この繰り返しこそが、可児青年会議所を次代へと繋げ歴史を紡いでいると思います。

我々が今もここ可児青年会議所で活動できているステージを築き上げていただき、そして繋げていただいた諸先輩方へ感謝し本年度邁進していく所存です。

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