2025年度 理事長所信

【はじめに】

一般社団法人可児青年会議所は、1975 年の設立から本年で 50 周年という大きな節目を迎えます。

明るい豊かな社会の実現を目指し、全国で 601 番目の青年会議所として発足以来、創始の想いは途切れることなく脈々と受け継がれてきました。これもひとえに、地域のために運動を展開されてきた先輩諸氏のご尽力の賜物です。改めて心より感謝申し上げます。

現在、私たちは不確実な要素が複雑に絡み合った予測困難な社会を生きています。 国際紛争、大規模な自然災害、生成 AI の浸透、世界各国の国政選挙で問われる民主主義など、私たちを取り巻く環境は日々急速に変化し続けています。

多様な考えや価値観が存在している時代ですが、いかなる時代背景であっても可児青年会議所のあり方が変わることはありません。修練・奉仕・友情の三信条のもと、変わりゆく社会課題に向き合い、明るい豊かな社会の実現に向け行動を起こし続けるのです。

私たちはこの大きな節目に可児青年会議所の原点や歴史を振り返り、今まで受け継がれてきた熱き想いと行動力を次世代に継承していくとともに、希望あふれるまちの未来の創造に向け、変化を恐れることなく力強く歩み続けてまいります。

【共感を生む会員拡大】

なぜ可児青年会議所は半世紀の長きにわたり存続をしているのでしょうか。それは、同じ志を持った青年が心から家族や仲間を想い、可児地域への愛郷心を持って運動を展開してきたからに他なりません。まちの未来のために切磋琢磨しながら、明るい豊かな社会の実現を目指して邁進するという熱き想いを引き継いでこられたのです。

私たちの愛するまちにとって、この想いの伝承はかけがえのないものです。なぜなら、引き継がれてきた想いへの共感は熱意あふれる行動を生むからです。その行動は成長の機会を与え、一人ひとりが掴み取った成長はまちをより良く変えていく力となるのです。

私たちはまちをより良くすることに情熱を傾け、計画的・組織的に行動を起こしています。その過程には、成長している姿が必ずあります。自信を持って運動を発信・展開していくことは、触れた人の心を動かし、共感を生む会員拡大につながります。

一人でも多くの青年が成長の機会を得ることは、より良いまちの未来を創ることにつながります。決して組織の存続のためだけに拡大活動を行うのではありません。明るい豊かな社会の実現を目指すために、会員拡大が必要なのです。引き継がれてきた熱き想いを胸に、自信を持って会員拡大に取り組んでまいります。

【好奇心を育む青少年育成】

将来の予測が困難である現代において、社会を生き抜くために必要と考えられる力は大きく変容しています。かつては決められた課題をこなす正確性や速度といった画一的な能力が重視されていましたが、現在は自ら課題を設定し情報を収集・分析する力が重要視されています。答えのない問題に立ち向かうため、能動的に問いを立てながら多面的な考察を重ねていく必要があるのです。

しかし、現実には失敗を恐れて無理のない範囲で自己完結している子どもが多いように感じます。制限や規制が多く挑戦する機会が少ないことから、主体性が発揮できないのです。

子どもが持つ可能性は無限大です。自ら思考の範囲を限定せず、次々と迫りくる問題を前向きに対処していくためには、主体性が必要なのです。

子どもの主体性を高めるために、好奇心は最も重要な要素であると考えます。好奇心からはじまる行動は、大きなエネルギーを有しているからです。このエネルギーは自発的な行動を生み、新たな挑戦につながります。挑戦による経験の積み重ねは、時代の変化に負けない問題解決能力の向上、そして自分らしく活躍できる力となるのです。

好奇心を育む機会は、子どもたちが主体的に行動を起こすかけがえのないエネルギー源となり、明るい未来を描くことができる原動力になっていくと考えます。

【まちへの誇りと愛着の醸成】

共働き世帯の増加やソーシャルメディアの普及、プライバシー意識の高まりなどを背景として、地域における人と人との日常的なかかわりは大きく減少しています。 さらに、 町内会や子ども会、消防団といった地域コミュニティの活動も衰退してきており、様々な世代間での対面的な交流によって生まれる情報のやり取りは限られたものになってきています。

このような地域における人と人のつながりの希薄化は、まちを形成している人や物を知る機会の損失を引き起こし、それに対する関心やかかわりを減少させています。
人と人のつながり方が時代に合わせて変化することは避けることができません。

ソーシャルメディアなどのインターネットを介した非対面の緩やかなつながりは、個人の生活をより豊かなものにするため活用すべきであります。 しかし、 利便性を優先するあまり、人とのつながりがインターネットを介したものに偏り、まちを知る機会の減少につながることは避けなければなりません。 なぜなら、まちを知ることは、まちに対する誇りや愛着を形成するための重要な一歩であり、持続可能なまちであるために必要なことだからです。

まちを知ることから発展していく誇りや愛着は、やがてこの地域を意識せずとも心のよりどころとしていきます。日常的なかかわりや地域コミュニティの価値を見つめ直すとともに、地域愛にあふれるまちを目指します。

【想いをつなぎ希望あふれる未来を紡ぐ】

私がこの世に生を受ける10年も前から、この地域には明るい豊かな社会の実現に向け運動を展開する61名の青年が存在しました。その創始の志や熱い想いが脈々と受け継がれ、現在に至るということに責務の重大さを感じざるを得ません。

50 周年という大きな節目を迎えるにあたり、可児青年会議所のメンバーとして活動することができている私たちは、行政や関係諸団体、市民の皆様とのつながりに改めて感謝し、先人たちが紡ぎあげてきた50年間の歴史を振り返る必要があります。

原点や歴史、伝統に触れることで変えてはならないこと、変えていくべきことを明確にし、私たちのあるべき姿を見つめ直します。そして、 さらなる次の半世紀に向け舵を取っていくのは私たちだという強い気概を持ち、希望あふれる未来の創造に向けた運動を展開してまいります。

私たちは、可児青年会議所に対して強い帰属意識を持っています。次なる51年目に向け、原点や歴史を揺るぎない共通の価値観とすることで、多様性のある個性が調和し活躍する可児青年会議所を作り上げてまいります。

【むすびに】

2015年、結婚を機に私は可児市民となりました。知り合いは一人もおらず、全てが手探りの状態でした。可児市で生活を始めて10年目、現在は多くのご縁に恵まれ、地域の一員であるという自覚と責任を持ちながら過ごすことができています。

そうなることができた要因の一つが可児青年会議所です。入会の決め手は尊敬する先輩方の存在でした。
「この方のような魅力ある人間になりたい!」純粋にそう感じる方々は可児青年会議所の関係者でありました。修練・奉仕・友情という三信条のもと、様々な機会を得ることができる人づくりの組織であり、そこに集う青年がより良いまちの未来のために情熱を注ぐ。そんな素晴らしい組織での経験が先輩方の魅力につながっていたのです。

仕事では得ることのできない様々な経験や数多くの失敗、仲間との深いかかわりなど、何物にも代えがたい財産を得ることができました。私は可児青年会議所が大好きです。

自分自身の人生に大きな変化を与えてくれたこの組織を次の5年後、10年後につなぐために、一つ一つの行動が組織の明るい未来に結びついているか。
私たちの成長を明るい豊かな社会の実現へつなぐために、一つ一つの成長をより意味のあるものに昇華できているか。

「つなぐ」ことに対して強い想いを持ち、青年らしい柔軟な思考で一年間邁進してまいります。

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