昨年、一般社団法人可児青年会議所は50周年という大きな節目を迎えることができました。半世紀という長い時の流れの中で、一度も途絶えることなく運動を続けることができたのは、先輩諸氏のたゆまぬ努力と熱い想い、そして何より、この可児地域をより良くしたいという純粋な志によるものです。その歴史と伝統を受け継ぎ、51年目を迎えることができた私たちは、これまでの歩みに深く感謝するとともに、新たな一歩を力強く踏み出さなければなりません。
私たちが生きている現代社会は、気候変動による自然災害の激甚化、少子高齢化と労働力減少など、多種多様な問題が山積しています。また、世界的なインフレーションの波は日本にも押し寄せ、30年続いたデフレからインフレへと変わる歴史的な転機を迎えています。どの時代にも様々な困難や変化は存在してきました。いつの時代においても大切なのは、その時代を生きる私たち一人ひとりが、これらを他人ごとではなく自分ごととしてとらえ、たとえ小さな一歩であっても、より良い世界の実現に向けて行動を起こし続けることです。
私たち可児青年会議所は、地域社会の先導者たるべき自覚と責任をもち、率先して明るい豊かな社会の実現を目指し、行動を起こしていく必要があります。51年目という新たなスタートラインに立つ今、改めてその使命を胸に刻み、地域の未来のために邁進してまいります。
「可児青年会議所の魅力は何か」と問われたら、私は迷うことなく「人」と答えます。私はこの組織に10年以上在籍しておりますが、時代ごとに在籍しているメンバーは移り変わっても、いつの時代も「人」こそが最大の魅力だと確信しています。
それはなぜか。この可児青年会議所という組織には、人と人とが真剣に関わり合う中で、共に成長し、かけがえのない絆を育んでいく風土が脈々と受け継がれているからです。議論を重ね、汗を流し、喜びも苦労も分かち合う中で、一人ひとりが磨かれ、成長し、生涯の友を得ることができる。これこそが可児青年会議所の本質的な価値であり魅力なのです。
しかし、この「人」という魅力は、実際に入会し、活動を重ねてみないと、なかなか実感することができません。言葉で説明しても、その素晴らしさの一端しか伝えることができないのが現実です。
そこで、この魅力を未来の同志となる方々に伝えるために、まず私たち自身が、この地域社会において輝いている姿を見せていくことが重要です。日々の活動において、楽しそうに、そして時には凛々しく活躍する姿を通じて、「この組織に入れば、自分もあのような姿になれる」「あのような人たちと一緒に活動がしたい」という憧れと期待を抱いていただけるよう、私たち一人ひとりの輝く姿で可児青年会議所の魅力を体現してまいります。
私が今日このような立場に立てているのは、入会当初から先輩方が私に活躍の場を与えてくださったからです。それは決して重要な役割ではなかったかもしれません。たとえ些細なことであっても、自分が活躍できている、誰かの役に立っているという実感をもてたことで、私は自分の存在意義を感じることができました。そして、その経験が組織への愛着を育み、さらなる活躍の場を求めて積極的な活動につながっていきました。
この可児青年会議所には、多くの魅力にあふれた人財が在籍しています。一人ひとりが素晴らしい個性と能力をもち、無限の可能性を秘めています。しかし、未だそのポテンシャルを十分に発揮できていない現状があります。もし、すべてのメンバーのポテンシャルを十二分に発揮することができたならば、組織全体がより大きな力を発揮し、地域社会への貢献度はさらに高まることでしょう。
そのためには、すべてのメンバーの個性や強みを引き出し、輝ける場を創出していく必要があります。一人ひとりがもつ独自の視点や得意分野を最大限に発揮できる環境を整え、活躍できる舞台を用意することで、組織のさらなる活性化が図られると確信しています。
現代の子供たちを取り巻く環境を見渡すと、動画配信サービスやスマートフォン、デジタルゲームなどの娯楽があふれかえっています。望めば簡単に自分を楽しませてくれるコンテンツが無限に存在し、飽きればすぐに次の楽しみへと切り替えることが当たり前になっています。その結果、自ら遊びを見つけたり、新しいものを創り出すといった創造性が低下しているように感じます。今後、技術がさらに発達し、望んだものがより簡単に手に入り、満足を得ることはますます容易になるでしょう。しかし、現代の子供たちが大人になり、変化の激しい社会で活躍していかなければならないことを考えたとき、この創造性の低下は深刻な問題だと考えます。
技術の発展は目覚ましく、10年後、20年後には、今話題の生成AIですら過去の産物となっている可能性があります。しかし、これからどんなに世界が発展し、状況が変わろうとも、変わらない真理があります。それは、与えられたものをただ享受するだけではなく、その時代の技術や環境を活かし、能動的に新たなものを創造していく力こそが、人間の本質的な強みであり続けるということです。
子供たち一人ひとりが自ら考え、自ら創り出す喜びを知ることは、何よりも大切な成長の糧となります。この創造する喜びを知った子供たちは、自然と新しいことに挑戦したくなり、様々なことを試してみたくなる。そうした創造性が、デジタル技術を使いこなしながらも、それに依存しない、未来を切り拓く力をもった人財へと成長させていくと考えます。
地域をより良くしていくために必要なものは何でしょうか。それは、行政の施策や積極的な民間団体の活動、そして私たち青年会議所の運動だけではありません。時代ごとに様々な課題に直面しますが、いつの時代もその地域を真に良くしていくのは、そこに住まう人々の想いと行動なのです。一人ひとりが「自分もこの地域の一員である」という当事者意識をもって行動し、一人ひとりの小さな一歩が、やがて大きなうねりとなって、地域全体を動かす力となります。
この行動を起こす原動力となるのは、地域の未来に希望と期待を抱くこと、そして「一人ひとりの小さな行動でも、確実に何かを変えることができる」という可能性を実感することではないでしょうか。私は、この地域がもつ無限の可能性を信じています。地域の課題を自分ごととしてとらえ、解決に向けて一歩を踏み出す。その勇気ある行動が連鎖し、地域全体が活性化していく。そのような好循環を生み出すために、共に理想の未来像を描き、その実現に向けて邁進してまいります。
私は可児青年会議所に入会して、多くの出会いと学びをいただきました。入会当初の私は人を深く知ろうとしていませんでした。その人がもつ様々な側面や可能性を、表面的にしか見ていなかったのです。しかし、この組織での活動を通じて、人と本気で向き合い、理解し合うこと、そして自分の殻を破ることの重要性に気付きました。仲間が自らの壁を乗り越え、新たな一面を見せてくれる瞬間を何度も目の当たりにしました。試練や研鑽を共に乗り越え、深く関わり合うことで、その人の本当の良さが輝き始める。そして、可能性が現実へと変わっていく。この変化を生み出すのは、何事にも本気でぶつかることだと確信しました。
本気の熱意は伝播します。一人の情熱が周りを巻き込み、やがて大きなうねりとなって、想像を超える力を生み出します。可児青年会議所には、素晴らしい個性をもつ人々が集まっています。そして、その全員が主役であり、一人ひとりが主人公なのです。誰もが輝ける場所があり、それぞれが活躍することで、その結晶が想像もつかない大きな力となることを、私は身をもって知りました。だからこそ、メンバーの皆様に伝えたい。何事も本気でやりましょう。本気になれば、そこには必ず楽しさが待っています。誰もが自分の可能性を信じ、自信をもって活動しましょう。その輝く姿が、新たな仲間を引きつけ、やがて地域を変える大きな力となるのです。
半世紀という大きな節目を迎えた私たちは、今、新たな1歩目を踏み出します。「次なる50年を築くのは私たちだ」この大きな気概をもって、この地域の明るい豊かな社会の実現のために一年間邁進してまいります。
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